繰り返しますが、岡山市のごみ有料化説明会での問題点は
１．有料化によって痛みを伴えば、ごみの量が減るという考え方。
２．ごみの有料化によって、不法投棄が増えてもやむを得ないという考え方。
３．ごみの分別が今まで以上には進まないのに、ごみの減量化ができるのかどうか。
４．ごみの焼却を「熱変換（サーマルリサイクル）」（温水にして使用するとか電気に変えて売電するとか）という言葉でごまかす、環境破壊。
５．今まで何の策もとってこなかったことは不問にして、「総合的に」「総合的に」という言葉で有料化を正当化。
１． の問題点についていえば、今まで有料化をしてきた自治体でも、ごみの減量化に成功している自治体はそんなに多くないということが実績として残っています。つまり一時は痛みを伴うので、ごみの量は減るらしいのですがそのうちに元に戻ってしまうのだそうです。それよりも根本的に減らせる「生ゴミの処理機」補助とか、分別収集の徹底化を業者をまきこんだ対策をするとか、もっとアイディアを出し合う必要がないでしょうか。
２． の不法投棄の監視体制は、「非常に難しい」というのが現状ではありませんか。それを容認するかのような発言が、市の側から出ること自体に大きな問題があると思います。今でも笹が瀬川のあちこちへの不法投棄は目に余るものがあるのに、懲りずに容認発言をするとは許せないことだと思います。
また、笹が瀬川の土手や家庭のあちこちで、現状でもごみを焼却しているところがかなりあります。工場ですらモクモクと煙を上げて焼却しているのですから、これから先は不法投棄と同時にあるいは不法焼却も増えてくるかも知れません。これは大きな環境破壊につながります。
３． のごみの分別の問題ですが、確かに市側の言うように分別は難しいかも知れません。特に各家庭に分別をお願いするわけですから、個々の家庭の判断はまちまちになるかも知れません。それだからと言って今のままの分別だけでは、絶対にごみの量を減らすことはできません。
横浜市などのごみ減量化を成功させている例では、やはり分別を徹底してやるという市側の姿勢が住民にも企業にも伝わって、徐々に浸透していくのではないかと思うのです。横浜市では、平成１４年から平成１８年には３５％ものごみ減量化に成功しているのです。（横浜市のホームページより）
どこの自治体でも、３Ｒ（Ｒｅｄｕｃｅ、Ｒｅｕｓｅ、Ｒｅｃｙｃｌｅ）を唱えるのは唱えるのですが、岡山市の場合は同じことを言いながらも基本的な姿勢が違うと、説明会で感じてしまいました。
４． の「熱変換（サーマルリサイクル）」の口実などはもってのほかだと思います。やむなく焼却せざるを得ないから、熱もＣＯ２も発生するので、この考え方が大元にあるとすれば、京都議定書など何の意味がありましょう。
洞爺湖サミットは環境サミットだと説明しながらこの考えですから、本当に地球環境をよくして次の世代へ渡せるのかを、真剣に考えているのかどうか疑問を持たざるを得ません。
５． の何の策もとってこなかったのは、今までの市政は「燃やせ、燃やせ」の市政ではなかったでしょうか。ここ１０年のリサイクル率を岡山市が提出した資料から見ても全くの横ばいで、ごみ問題に対する無策を見せつけています。
そこから急には方向転換できないから、急場しのぎの「総合的」にという言葉で無理矢理ごみ有料化を市民に納得させようとしているのではありませんか。自分たちの無策を市民においかぶせて、「環境問題を考えてごみの有料化にふみきったのです」と言ってはばからない、この無神経さでは環境問題を語る資格はありません。
また今回の市側の説明からは、合併した地域がごみ有料化をやっているから、岡山市全体もやろうと言っているようにも聞こえました。それにしては、各合併地域の人たちは有料化の料金が高くなるという皮肉な結果になるのは、市側はどのように考えるのでしょう。
それと、周辺がやるから、やっているから岡山市もやるという理屈は、どう考えても屁理屈という意外にありません。
仮に、ごみが有料化になってもごみの減量がなかったり極端に少なかったりした場合は、誰がどのような形で責任をとるのでしょうか。市民に負担をさせるだけさせておいておしまいにするのでしょうか。
基本的には、ごみ処理などの地方自治体でやらなければならない問題は、税金でまかなうのが原則のはずです。もちろん市側からの正当な要望なら、市民がいろんな形で協力するのは当たり前のことです。
では税金は何のために誰のために使われているのでしょうか。市議会議員が海外視察を行うことが先決とか、今回の岡山市のシルバー人材センターの不正経理問題に、明確な結論なしのさらなる補助金追加問題とか。そういったことに先に税金を投入して、市民生活に直結する部分は市民の負担にする。それが市政というものなのでしょうか。
ごみの有料化は公平負担だと説明されますが、それひとつとってみれば公平負担かも知れません。しかし、今大問題になっている後期高齢者の医療問題や、年金生活者、低所得者にとっては、市が試算している年間６０００円のさらなる負担は、生活に大打撃を与えます。
そんなところが市政を担当する市長や市議会議員、それにまがりなりにも給料が保証されている職員の方の中には理解できない方々もおられるのではありませんか。
いま一度考えて欲しいのは、政治とは何か、行政は何をしなければならないのか。議員はいったい誰のためにいるのか。世の中、公平という名の不公平があまりにも多くないでしょうか。
また、国がごみの有料化を推進しているやにも聞きます。うがった考え方をすれば、岡山市は政令指定都市への要件が不足しているにもかかわらず、無理矢理政令指定都市になろうとしているために、政令指定都市指定のためのおみやげ的存在として、ごみの有料化をやろうとしているのではありませんか。
岡山市長は今回初めて定例記者会見を開き、迫り来る政令指定都市指定へ向けて、「区名を選んで下さい」と企業も含めた宣伝体制を作ると力を入れていると聞きます。
私たちに言わせれば、「力のいれどころが違いはしませんか」と言いたいのです。
あちこちの説明会でいきなりの有料化説明に反対の声が続出！！(加筆部分)
岡山市は小学区ごとの説明会を開いていますが、横井学区ほど反対の声が少なかったところはなさそうで、あちこちの説明会で、”いきなり有料化とはどういうことか”など、反対意見が続出しているようです。
６月定例議会でゴミ有料問題も議論されるそうですが、説明だけでは市民の納得はいきません。横浜市の例を取り上げて、ごみ減量化を先に推進すべきではないかという意見も聞かれるそうです。定例議会で採決されなければ来年２月からの実施はありません。反対署名をもっともっと集めようという声も出てきているようです。
やっぱり、岡山市のやり方は間違っています。市民に相談もなくいきなり有料化では、仕方がないと思う人たちもおられるでしょうが、間違っていると思われる人の方が多いのではないでしょうか。ごみ減量化問題を議員も含めてもっともっと討議すべきです。
≫続き 岡山市職員からもごみ有料化断念を
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